SDGsの取組み

当こども食堂は、「共食と食育、様々な学びを通じて、こども達の生きる力を育む」というビジョンを掲げ活動をしています。SDGsの推進、目標の達成に貢献しています。

あらゆる場所に、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

 

経済的貧困に加えて、核家族化、都市化、格差、非正規雇用の増加、地域における繋がりの希薄化など日本を取りまく社会経済システムの変化を踏まえ、経済的貧困に加えて「つながりの貧困」、「経験の貧困」の3つを今日的な貧困問題と捉え、「共食と食育、様々な学びを通じて、こども達の生きる力を育む」を基本理念に、すべてのこども達を対象に、こども食堂、学習支援、ひとり親等への経済的支援および子育て相談支援事業の4つの事業を行っています。

飢餓に終止符を打ち、食料の安定供給と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

こども食堂事業や、ひとり親への経済的支援事業を通じて、地域における飢餓の撲滅をめざしています。とりわけ日本におけるひとり親家庭の相対的貧困率は約51%と極めて高いことから、ひとり親子育て家庭への食料品の提供支援事業に力を入れています。加えてフードロスの削減のため、地域の企業を連携し規格外など市場にでない野菜などを用いたこども食堂の開催や、こども食堂農園での農業体験を通じた食育や食べ物への感謝の心をこども達に伝える活動をしています。

あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

 

大人社会はこども達に様々な影響を及ぼしています。肉体的、精神的に虚弱(ひ弱)な子が多くなっています。使う鉛筆は2B、体力がない(すぐ疲れる)、すぐ「面倒くさい」という、いじめや不登校、人とのコミュニケーションがうまく取れないなど。肉体的な健康に加え「精神的な」健康に不安のあるこどもが多く、特に自己肯定感が低い子が多いです。こども食堂ではひとり一人のこどもを見つめ、「好き」を見出し、それを伸ばしていく活動をしています。


すべての人に包括的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

こども食堂で行っている学習支援は、学校や塾とは異なります。こども達にとり大切なことは「自ら学ぼう」とする姿勢です。こども達が夢中になれることを見つけ、「好き」が「得意」となるよう支援しています。こども達の自己肯定感を高め、得意な科目を伸ばし、その上でその科目に関連する科目の学力向上にも繋げていきたいと考えています。その手助けとして、こども達の関心が高いプログラミングやiPadなどを用いた先進的なSTEAM教育に特に力を入れています。

ジェンダー(性別)の平等を達成し、すべての女性と女子のエンパワーメントを図る

今、日本では7人に1人のこどもが貧困状態にあるといわれています。特にひとり親家庭の約86%が母子家庭ですが、シングルマザーの半数以上が貧困状態にありるといわれています。当こども食堂では、ひとり親への経済的な支援に加えて、お母さんのくつろぎの場として「マミーズカフェ」を開催、子育てや生活のこと、仕事のことなどを気軽に相談できる相談支援窓口を設置、更には子育てに役立つ講演会の開催を行い、女性のエンパワーメントを支援しています。

国内や国家間の格差を是正する

 

 

格差の指標であるジニ係数の日本の値は0.33(所得再配分後)とOECD加盟国平均よりやや悪い水準にある一方、こどもの貧困の国際比較では、OECD30か国中27位と低位にあります。こども食堂では子育て家庭における「機会享受」の格差解消を目指し、経済的な支援のみならず、教育格差の解消を目指し、対面での学習支援に加え、オンラインでの教育、プログラミング教室、人工知能やデジタルグラフィックを学ぶ講座など最先端のSTEAM教育を無料で提供しています。


都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする

 

地球規模の中長期的な課題として地球温暖化(気候変動)は深刻な問題です。こども達が将来直面する影響について分かりやすくこども達に伝え、大人も含めてなにができるのかを考えるセミナーを開催しています。また本こども食堂が位置する都市近郊における課題である人口減少、過疎化は、こども達が大人になる頃には地域社会、経済、コミュニティーを維持できるのかが危惧される大きな社会課題です。これらの問題についてこども達と共に考え、行動していきます。

持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する

今、こどもに対する虐待や育児放棄が深刻な社会問題となっています。女性に対するマタハラ、セクハラ、パワハラの相談も増えています。こども食堂では、親が安心してこどもを育てられる環境整備のための支援相談窓口を設置するとともに、市や県の行政や社協、学校、議員とのパイプラインを活かし、教育関係者、里親、医師、看護師、心理士等のプロボノによる支援を行っています

持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、パートナーシップを活性化する

 

先に掲げた8つの目標達成のため、180人を超える登録ボランティアによる協業に加えて、県、市の行政、県および市レベルの社協、地域の小中学校、議員、企業、地元商店、高校、大学、こども食堂支援団体などと連携を強化しています。また継続的な活動のためには、安定的な財政基盤が必要であることから、公的な補助金の割合を減らし、民間助成金や企業、個人よりの寄付金、クラウドファンディングの活用など財源の多ソース化に努めています。